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空を飛ぶ名刺

最近は紙と機械と、対話する日々が続いています。

独り部屋で仕事をしていると、どこからともなく妄想がしのびこみます。

この紙の名前は何だかテニス選手みたいだな、と思いはじめると止まりません。

名前を聞くとなぜか動物の象を思い浮かべてしまう紙

スプーンですくうとさっぱりしておいしそうな名前の紙

本当は優しいのに冷たいふりしかできない不器用な和風美女みたいな紙、

お人好しで、いつも調子にのりすぎて失敗してしまう憎めない紙や

きらびやかで人を楽しませる才能を持ち、親しみを感じさせる紙、

近未来から来たポリスみたいな紙、スマートでそつがないのにちょっぴり内気な英国紳士の紙、

平安時代のすだれの奥のかぐや姫の紙、人工衛星みたいな名前の紙、

オレンジやパインのフレッシュな果実の入ったバニラアイスの紙、

都会に染まる前の、健康的に日焼けした肌の初心なお嬢さんみたいな紙、

個性的な性質で他を寄せ付けない、哀愁の一匹狼もいれば

なんにでも適応できる、普通の高校生みたいな紙もいます。

  

こうして見てみると、紙には確かに個性があります。

人間に似ています。

紙といっても色も質も様々で、たとえ一見色が似て見えても

ずっと近くで見ていると、印刷したときの細かな色ののりも、印刷機にとおるときの音も

明らかに紙ごとに違うのに気づきます。

 

何も語らないおとなしい紙が、うちに秘めている言葉なき存在感。

 

機械もまた黙々と動いていますが、無意識に気持ちが同調してくるのか

まるで一緒にいて同じ気持ちでいるかのような

不思議な感覚になってきます。

 

機械とも、人間と同じように、つきあいかたというものがある気がします。

 

印刷を待つ間、パソコンの小さな箱のなかで

少しだけ紙のデザインの美術館めぐりをしました。

 

空を飛ぶ名刺、

コインをつめると豆鉄砲の様にはじき飛ばせるという、スパイが持っていそうな危ない名刺

組み立てるとオシャレなイスになる名刺など、

アイディアあふれる作品を鑑賞しました。

それにしても面白いですね、この名刺★かわいい~!!

空飛ぶ名刺






夏至

 今日、夕方7時ごろになってもまだ外は明るいなあと

 隣の上司M氏と話していて、ふっと「夏至」という言葉が頭をよぎったので

慌てて調べてみると、何と今日6月21日が夏至(げし)でした。

何ということでしょう!!

空

夕暮れの空

夏至とは地球の赤道から太陽が最も北に離れている日だそうで

北半球では最も昼が長く夜が短く

南半球では最も昼が短く夜が長く

北極では太陽が一日中沈まぬ白夜、

南極では一日中太陽が沈んだままの日

なのだそうです。

  

いつのまに一年はこんなに過ぎたのでしょうか。

 

今日も納品で自転車で外に出ましたが、

雨上がりの晴天はさわやかな微笑みのブルー

まぶしく熱い太陽がのぼり

ひさしぶりの強い光に、皮膚がピリピリするのを感じました。

まわりに人が歩いていないときは、水たまりの真ん中を自転車で思いきり踏み込むのが好きです。

雨上がりの地面からたちのぼるにおいは、何ともなまぐさく懐かしくにおいがします。

 

この前、天満橋の本屋さんで、周りに人がいるのにも関わらず

笑いが吹き出すのを止められなかった本があります。

デザイン書のコーナーにあった、その本の名は

「100均フリーダム」!!

100円均一のお店に売っている、よく見ると??な、

おもちゃや食器、何の動物か分からない置物など、

何でも速度の速いことが喜ばれがちなこの世の中で

非常におおらかな商品たちのコレクションが

写真つきで、1枚1枚にコレクターである著者のちょっとしたコメントがついてます。

デザイナーさん、または何か新しいアイディアを探し求めている方

頭をやわらかくしたい時にぜひ一読をおススメします★

 

ロボット1

ロボット2

ロボット3

キャンドルナイト★in茶屋町

昨日は、大阪で毎年恒例の大ロマンティックイベント

6月2日(1日延期になってこの日になりました)

茶屋町キャンドルナイトに行ってきました。

こどものペーパーバッグ

Mativeでは

グラフィックデザイナーU様、スペースプランナーT氏が

それぞれデザインして手作りしたペーパーバッグを出展、

スペースプランナーT氏と施工のK氏がkomati(コ・マ・チ★)として

共同でキャンドル作品を出展しました


去年の10月のキャンドルナイトは大雨が降り、予定よりも早く終了してしまいましたが

この日の夜はめでたく晴れました。


私は夜8時30分ごろ会社を出て

自転車で梅田へ向かいました。


施工のK氏に迎えにきていただき

私はひかるキャンドルの森のなかを

視線をいろいろにさまよわせながら歩きました。



宇宙的ダイナミックにそびえたつ巨大キャンドル、

壁づたいに空間をうまく利用した異国風ギリシャ風のキャンドルを

横目に見ながら、路地を行くと

komati(T氏とK氏のチーム名)のキャンドル作品にたどりつきました。

komati出展

わっと思いました!!


けっこう急ぎで作っていたみたいだったので

こんなにステキにかわいく完成しているなんて流石!!と思いました。


両側のお花と植物の部分がかわいらしくて、花のなかにあいている

穴のなかをのぞきこむと、中は棚状になっていて、

ずらりと光るキャンドルが!!

夢中になってのぞきこみました。

komatiの作品は前回は雨のため残念ながらゆっくりとは見れなかったのですが

ちょっとした仕掛けというか、のぞいたら何か秘密が見えたり、

かわいいクロ猫ちゃんのおおきなまるい顔が、微笑みをさそいますし

どっきり、見る人の気持ちになって

くすっと遊び心があって、あ、かわいい!と素直に単純によろこべる

ピカソなどのように入り組んだ迷路みたいなArtではなく

komatiらしい魅力があると思いました。


ペーパーバッグはまずU様の作品を発見しました。

片面はにんまり笑った黒猫ちゃんの顔(お耳の曲線、にぎりたい。)

裏側はもふもふのワンちゃんの顔(大きな鼻をさわりたい。)

themeは「スマイル」だそうです!!

ねこバッグ

ペーパーバッグは四角い、という重いこみを破って

独創的な形がものすごく目立っていました。

あまりに人が混んでいて、ワンちゃんの顔の側は写メをとり逃がしました。残念・・・!!


T氏のペーパーバッグも発見しました。

和風で、6月の雨傘みたいで、

上品でかわいらしかったです。

まるで突然降りだした雨の雨水に、思わずふるえる紫陽花みたいな

繊細で優しい作品でした。

カラフルキャンドル

他の作品も色々と見て回りましたが、

ほんとに楽しかったです!!

ミニキャンドル



レインボーキャンドル

WHO’S WHO gallery 梅田店様 窓透明シート

窓右窓中央

GW前に、WHO’S WHO gallery 梅田チェルシーマーケット店様の

窓用透明シート貼りの施工がありました。

今回は模様や文字の部分を、白のカッティングシートではなく、

白インクで印刷された透明シートを窓ガラスに貼ることになりました。


グラフィックデザイナーのO氏と私は

施工エンジニアK氏がシートを貼る現場についていきました。


私も何回かK氏の現場に行ったことがありますが

カッティングシートやシートを貼る施工の時

いつも現場に到着したときには貼る作業が終わった後でしたので

見学するのはこれが初めてとなりました。


まず出来上がりの完成図のプリントを用意し、メジャーで貼る位置を決めます。

大きなガラス窓の内側には、中のお店に陳列してあるお洋服やトルソーが見えます。

このガラス窓を通して、道ゆく人たちはお店を見るのです。

実際に施工中も、この窓の前の高架下を多くの若者たちが通り過ぎ

「WHO’S WHOのお店だね」「窓に貼ってる!すごーい!」

という生の声がじかに後ろから聞こえてきました。


K氏は慣れた感じで脚立を乗りこなし、洗剤の混じった水をふきつけて

ワイパーで窓をキレイに掃除しました。

シートを貼った時に、中にゴミが入ってはいけないからです。


O氏は、K氏から計った寸法を聞いて紙に書きいれたり、窓をタオルで拭くのを手伝っていました。

K氏はメジャー(スケール)で何回も念入りに窓の横、縦と寸法を計ります。

色つきのマスキングテープを平行にまっすぐ貼り、しるしをつけて

養生テープをぺっ、ぺっと上に仮止めします。

初めての私には、これは何かの儀式なのかと思いましたが

やがてそばに巻いて立ててあった透明シートをペロンと下にのばして

先程の養生テープで位置を合わせて貼りました。

さていよいよ透明シートを窓ガラスに貼っていきます。


まずガラスとシートの裏側両方に、たっぷりと水を吹き付けます。

ガラスにシートを貼り合わせたときに、水を吹き付けていないシートは

ただのシールと一緒なので、いきなり間違ってななめになったまま

ピチャッとくっついてしまっては後で直すことが難しくなります。

位置があうまでは、すぐにくっつかずに十分に水で滑ったほうがよいのです。


こうして中央の文字の部分、右の女の人の模様、左の模様の

正面から見て3面の透明シートの貼り作業が完了しました。


透明なガラス面に、お店のお洋服に使用している「綿花」をテーマにした

白の、昔の外国の絵本のようなファンタジックな文字や絵が浮かび上がりました。


お店の窓ガラスに貼ってある文字や絵は

こんな風にしてとりつけることができるのです。


そしてお客さまはこの窓を通して

お店の中を見ていくのでしょう。


透明な窓ガラスに白い模様ができたので

若者たちの通る街に一気におしゃれな印象のウィンドーが完成しました。