楽しい布選び

昨日は大雨が降りました。

この前の日曜日も雨がふりましたが、

私は布屋さんで布を選んで長い時間をすごしました。


布を選ぶ時に私は、まず手で布を触ります。

お店の商品なので触りすぎは問題ですが、布には様々な感触があって

とても楽しいです。

綿は、織り方にもよりますが

するする、さらさらしていてとても肌触りが良いです。

麻と綿をかけあわせたものは、少しざらざらして

素朴で少し野生な肌ざわりです。

私は特に秋や冬などはネルという布が好きです。

ある小説家はネルの肌触りを、ふわふわのネコを撫でた時のような感触と

書いたそうです。

ツイルやかつらぎ、デニムはがっしり、しっかりしていて

あたたかく守ってくれるような安心感があります。

一見同じような布に見えても、よーく見ると

まっすぐな織り目のもの、ななめのもの、うっすらと毛羽立っているもの、

引っ張るとニットなどはぐーんと伸びたりします。


布を選んでいていつも究極の選択をせまられます。

それは、はっと目をひかれるほど可愛らしい柄なのに

どことなく頼りなげでか弱そうな布と、

柄はあまり可愛くなくて、どちらかというと地味なのですが

ごつっとしてしっかりと丈夫そうな布です。


可愛さを選べば丈夫さを捨てることになり、

丈夫さを選べば、可愛い柄をあきらめなければなりません。

もちろんこの両方を兼ね備えた布があれば言うことはないのですが・・・


昔昔の日本の衣服では、鼠や渋といわれる

地味でぱっとしない灰色やくすんだ藍色などの色のものと

反対にショッキングピンクのような華やかで明るい色のものがあったそうです。

しかし、高価で値打があるとされたのは

鼠とか渋といった、地味で渋い色のほうだったそうです。


なぜなら、そういう色を出すためには高度な染色の技術が必要で、

シブければ渋いほど、色を出すのが難しかったそうだからなのだそうです。

難しいことはよくわかりませんが、

私なら別に色がきれいならいいじゃん?と思ってしまいそうですが

確かに今でも布屋さんでは、何でもないような色や柄の

ごつっとした布ほど高いような気がします。


これだけ膨大な種類と数があるにも関わらず

持ち合わせの予算とか、何か作ろうという根気や体力を考えると、

選べる布はたったひとつかふたつだけです。


布も、人との出会いも、なんだか似ているところがあるような気がしますicon_biggrin.gif


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