皮膚にあつい湿気がまとわりついてくるような熱帯夜
この間の金曜日の夜のこと。
プリアラのシェフと一緒に、天神橋筋商店街を北へ
すでに赤い顔で仲よく連れ添っている人たちの間を
慎重に自転車でくぐり抜けながら
やってきたのは夜の施工現場。
初めての「高所作業」の施工の見学でした。
ビルの下にぴたりと寄り添うように
消防隊のはしご車みたいな大きな車が
静かにうずくまっていました。
この鋼鉄の首をもつ大きな黄色いキリンは「バケット車」とも呼ばれ
恐るべきパワーを持ち、そのなめらかに動く首の上に人間をのせて
左右上下、こきざみに震えながらも自在に動いて高所作業を助けてくれます。
このたびの施工はビルの3階ぐらいの高さの窓面に貼ってあるシートをはがして
新たなデザインのシートに貼りかえる、という作業でした。
赤いコーンに囲まれて留まっている高所作業車の上では
すでに着々と施工がすすんでいました。
暗闇の中見上げると、のびたキリンの首の先の
上空のかごから身をのり出す
灰色のT-シャツを着たK氏が見えました。
見上げる首が痛くなるほどの高さで
灰色のTシャツのK氏はシートをべりべりとはがし、窓面に水をふきつけてきれいにし
新しいシートを位置を合わせた後、すばやく貼っていきました。
地上で貼っているよりも作業がはやく見えました。
くねくねと動くキリンの首みたいなクレーン部分は
近くで見るとサイバーテクノロジーという感じで
まるで人間の腕の筋肉や筋のように
伸びたり、回転したり、ななめになめらかに回転しながら向きを変えたり
計算しつくされたような複雑な動きをしていて
ついうっとりと魅入りました・・・。
上にのぼる気持ちはどんな気持ち?
上空の風は、どんな音がするのだろう。
下を見下ろすとき、小さな人間や街路樹はどんな風に見えるのだろう?
灰色のTシャツのK氏は
慣れた手つきで危うげもなく淡々と作業をしていましたが
やっぱりはじめて高所作業車にのったときは
緊張したのでしょうか??
今度聞いてみようと思います★